三重県内のどこかに注文住宅を新築するという場合に、まず問題となってくるのが土地の確保です。一般的にいえば、デベロッパーが整備した分譲地に空きがあれば、その土地を買い求めて注文住宅を新築するということになります。その際に注意しておきたいのが、三重県の場合には、一般的なマイホームを建てるための土地と、別荘などを建てるためのリゾート向けの土地と、ふたつの種類の分譲地があるということです。
一般的にマイホームの需要ということであれば、桑名市から松阪市あたりまでの、どちらかといえば海よりの低地にこうした分譲地が集まっていますので、そのなかから適当な物件を探すということになります。ほかにも、名張市、伊賀市といった内陸にもこの種の分譲地がありますが、場合によってはコミュニティプラントに接続して下水を処理するための負担金など、その分譲地に特有の管理費用がかかることがあります。こうした費用は、土地の代金そのものとは別個のものですので、地価が安いからといって後先を考えずに契約をしてしまうと、実はそのほかにも多額の出費が生じるといったことがありますので、注意をしておいたほうがよいといえます。
また、リゾート向けの分譲地であれば、伊勢市、志摩市、鳥羽市といった観光地や、津市や鈴鹿市あたりの山際のほうに多く分布しているといえます。こうした土地に関しても、やはり契約の当初に下水道、上水道、道路の負担金が発生することがあります。リゾート向けの分譲地は、基本的には景観を重視しているため、現地への交通アクセスについては、公共交通機関がほとんど期待できず、もっぱらマイカーで移動することに特化しているといえます。そのため、市営の上下水道や公道といったインフラは整備されておらず、分譲地内にはデベロッパーが独自に整備した、私営の上下水道や道路があると考えたほうがよいでしょう。こうしたインフラを利用する権利、およびその後の維持管理の経費といったものは、すべて土地の所有者が負担するというのが原則になってきます。このため、一般的なマイホームを前提とした分譲地よりも、ランニングコストがかなりよけいにかかってくることになります。実際にどの程度の金額になるのかについては、土地の面積、および定住と別荘といった利用形態の区別によって異なってくるため、個別に決められるということができます。こうした土地を購入する際には、先々の管理費まで含めた見積もりをもらう必要があるといえます。